コロナ禍で音楽エンターテインメント業界は完全に停滞しています。エリック・クラプトンやボン・ジョヴィなどのアリーナ級のアーティストでさえ無観客ライブしかできない状態なのですから、アマチュアの習い事系が完全ストップに近い状態になるのは当たり前かもしれません。
でも音楽産業が停滞したとしても、個人々々の音楽活動が無くなるわけではありません。確かに教室などは多くが閉鎖されていたりしますから、受動的にやられている方は音楽活動の場を失っていると言えますが、個人単位で歌の練習をするレベルであれば環境や機会はいくらでも整えることができます。
ゴスペルなどをグループ・レッスンでやる場合は、教室で個々のスキルを高める練習をするのはかなり制約があります。パート別で音取りをしている時間は、大きな声で好き勝手歌うことは他のメンバーの迷惑になりますし、先生も個人の歌というよりはどちらかと言えばアンサンブルの完成度に耳を傾けがちです。本来ならすべての参加者がグループ・レッスンの準備のために個人練習を行うことが理想ですけど、「習い事」の意識だと、習いに行ってるときに練習をして向上するというものになるので、それ以外のプライベートな時間に、音楽に時間を割くというのは、そもそもやらない人の方が多いと思います。
でも、ソリストに立候補した人ははじめて個人練習の必要性に気付くと思います。エントリーした以上は当然ながら選ばれたいと思うだろうし、そのためには何度も歌ってオーディションに備えなければなりません。初めはやらなければいけないからやった個人練習ですが、大抵の人は「やってみたらうまくなる」ということを知ります。そうなったらソリストにエントリーしているかどうかに関係なく、上手くなるのが楽しいから個人練習をするようになります。